10月に入り、今年度も折り返しを過ぎました。
この時期に会社の皆さんに一度確認していただきたいのが、年次有給休暇の「年5日取得義務」です。
「有休は本人が取りたいときに取るものだから、会社は関係ない」
と思われがちですが、現在はそうではありません。
対象となる従業員については、会社側に「年5日は取得させる義務」があります。
年末や年度末になってから、
「この人、まだ3日しか取っていない!」
と慌てることがないよう、今の時期に一度チェックしておきましょう。
年5日取得義務とは
労働基準法39条では、年10日以上の年次有給休暇が付与される従業員について、毎年5日は確実に取得させることが会社に義務付けられています。
従業員が自分から5日以上取得していれば、もちろん問題ありません。
一方で、なかなか有休を取らない従業員がいる場合には、会社が本人の希望を聞いたうえで取得日を指定するなどして、5日を確保する必要があります。
つまり、
「有休を取るかどうかは本人任せ」では済まない
というのが大きなポイントです。
パート・アルバイトも対象になることがあります
この制度は正社員だけの話ではありません。
パート・アルバイトであっても、勤続年数や所定労働日数などによって年10日以上の有休が付与される方は対象になります。
例えば、週4日勤務のパートさんでも、勤続年数によっては10日以上付与されるようになります。
「パートだから対象外」と思い込んでいると、知らないうちに未達成者が出てしまうことがあります。
一度、雇用形態にかかわらず確認してみましょう。
「年度」ではなく、一人ひとりの基準日に注意
ここも意外と間違えやすいところです。
年5日の取得状況は、原則として有休を10日以上付与した日(基準日)から1年間で確認します。
例えば、
4月1日入社 → 10月1日に10日付与
という会社であれば、原則として10月1日から翌年9月30日までの1年間に5日取得できているかを確認します。
中途採用が多く、入社日を基準に有休を付与している会社では、従業員によって期限がバラバラになることもあります。
これが有休管理を難しくする原因の一つです。
すでに本人が取得した日はどうなる?
よくあるご質問ですが、本人が自分で申請して取得した有休も、もちろん「5日」にカウントできます。
例えば、すでに本人の希望で4日取得しているのであれば、あと1日取得すれば5日の要件を満たします。
また、会社で計画的付与を実施している場合、その取得日も5日に含めることができます。
大切なのは、最終的に基準日から1年間で5日取得できているかです。
未達成だとどうなる?
年5日の取得ができていない場合は労働基準法違反となり、対象となる労働者1人につき30万円以下の罰金の対象となり得ます。
「たった1人だから大丈夫」という話ではありません。
従業員が増えてくるほど、誰が何日取得しているのかを会社側で把握する仕組みが重要になります。
もちろん、「罰金があるから有休を取らせる」という話だけではありません。
有休を取得しやすい職場をつくることは、従業員の健康管理や働きやすさ、定着にもつながります。
年次有給休暇管理簿を確認しましょう
会社には「年次有給休暇管理簿」を作成し、基準日・取得日数・取得時季を記録しておく義務があります。
せっかく管理簿を作っていても、年に一度しか確認しないのでは、未達成に気づくのが遅くなってしまいます。
おすすめなのは、年度の途中で一度、
「5日未満の人だけをピックアップする」
ことです。
例えば、
「0~2日 → 早めに取得を促す」
「3~4日 → 今後の取得予定を確認」
「5日以上 → ひとまずOK」
くらいに分けて確認すると、管理しやすくなります。
まとめ
有休の年5日取得義務は、制度自体はそれほど難しくありません。
難しいのは、「誰が、いつまでに、あと何日取らなければならないのか」を継続して管理することです。
特に中途採用の多い会社や、パート・アルバイトが多い会社では、知らないうちに対象者が増えていることがあります。
10月に入り、今年度も折り返しを過ぎました。
「年末や年度末に確認すればいいか」ではなく、少し余裕のある今のうちに、年次有給休暇管理簿を開いてみてください。
5日未満の従業員はいませんか?
今確認しておけば、まだ十分に間に合います。
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