あっという間に年末が近づき、慌ただしい毎日ですね。
そんな中、ずっと積読だった ダニエル・ピンク著『モチベーション3.0』 をようやく読みました。
「なんでもっと早く読まなかったんだろう…!」と、軽く後悔するほどの名著でした。
スポーツ指導者に読まれている本でもありますが、
読めば読むほど 企業の人事労務・組織づくりに直結する内容 で、
社労士として強く共感した部分が多かったです。
■ 人間の行動原理=“OS”という発想
本書は、人の行動の原動力をパソコンの“OS”に例えるところからスタートします。
ITの世界でもOSが古いままだと不具合が起きるように、
現代の働き方も「古いOSのままでは限界がある」という問題意識です。
● モチベーション1.0:本能的、生命維持の欲求
いわゆる“生きるための行動”。
ご飯を食べ、寝て、危険から身を守る、というプリインストールアプリのような働き。
● モチベーション2.0:アメとムチ(報酬と処罰)
“成果を出したらご褒美、失敗したらペナルティ”。
とても分かりやすく、現代の会社経営に色濃く残っている考え方です。
しかし著者はここで疑問を投げかけます。
「アメとムチだけで、人は本当に生き生き働けるのか?」
結果として「NO」が本書の結論。
外から与えられる動機(外発的動機)だけでは、人は本気にはなれないという指摘です。
● モチベーション3.0:内側から湧いてくる動機
そこで示されるのが、新しいOS「モチベーション3.0」。
柱は3つです。
- 自律性(Autonomy)
- 熟達(Mastery)
- 目的(Purpose)
これらが満たされると、人は“やらされ仕事”から脱却し、
「自分の意思で動きたい」という本当の意欲が生まれます。
■ “内発的動機”があると、人は時間を忘れて働ける
本書を読みながら、私自身、剣道の指導でも仕事でもよく実感することがあります。
人は、内発的動機があると夢中になれる。
そして、時間を忘れて取り組める。
これは、ビジネスの現場でもまったく同じです。
著者が紹介している有名な事例では、
社員が勤務時間の 約20% を、自分の興味分野の研究に充てられる制度を導入する企業が増えている、という話があります。
「仕事中なのにルーティン業務をしなくていい時間があるなんて…」
従来の価値観では“無駄”に見えるこの時間から、実は数々の革新的なサービスや新規事業が誕生しているんですよね。
■ 企業がすぐにできる「内発的動機づけ」の第一歩
本書を読んで感じたのは、何も大げさな仕組みを作らなくても、
組織は小さな工夫で変わる ということ。
例えば――
✔ 週に1時間、通常業務から離れる時間を作る
・勉強会
・個人研究
・業務改善のためのアイデア出し
・新しい技術の習得
たったこれだけでも、
社員の“自主性”と“創造性”にスイッチが入ります。
ルーティン業務だけでは生まれない、
心の火種を育てるための時間 と考えると、非常に価値があります。
■ 「給与を上げるだけではうまくいかない」理由がよく分かる
社労士として日々現場に関わっていると、
「給与を上げたのに、なぜか社員が辞める」
「待遇を改善したのに、主体的に動く人が増えない」
そんな相談は珍しくありません。
本書では、その原因が非常に明確に書かれています。
✔ 評価や給与は“衛生要因”であり、
✔ 人を長期的に動かす主役ではない。
むしろ、
・自主性
・成長の実感(熟達)
・働く意味(目的)
ここが欠けると、どれだけ条件を改善しても“心は動かない”。
この考え方は、実務上も非常に参考になりました。
■ まとめ 〜企業にも個人にも、新しいOSが必要です〜
『モチベーション3.0』は、
単なる「人のやる気に関する本」ではありません。
企業が長く持続するための土台づくりの本です。
そして同時に、
一人ひとりが豊かに働くためのヒントが詰まった本です。
少し難しい部分もありますが、それを補って余りある価値があります。
✔ 組織の成長に悩んでいる企業
✔ 主体的に動く人材を育てたい経営者
✔ 評価制度の限界を感じている人事担当者
そんな皆さんに、ぜひおすすめしたい一冊です。
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