先日、ブログに書いた年収の壁・支援強化パッケージについて、106万円の壁への支援として、新しく助成金が設立されました。
令和5年10月1日以降の取り組みが対象となります(令和8年3月31日廃止予定)。また事前(一部事後でも可)にキャリアアップ助成金計画書の提出が必要です。
・社会保険料加入による手取り額の減少対策と助成金
- 社会保険適用促進手当の支給・・・「社会保険適用促進手当」とは、社会保険に新たに加入したパートタイマーなどの短時間勤務の労働者に対して標準報酬月額の15%以上を手当として支給。 「社会保険適用促進手当」は、例外的に社会保険料の算出の対象にはなりません。ただし、税金・雇用保険などは対象となります。毎月支給する場合は割増賃金の算定にカウントされます(毎月支給か1か月を超える期間でまとめて支給するかは会社が選べる)。社会保険適用促進手当は2年だけ期間限定です。 この「2年間」というのは、必ずしも2023年度、2024年度を意味するのではなく、あくまで「労働者が新たに社会保険適用となった時点から」ということになります。
・労働時間を延長させる・・・この場合は、社会保険に加入になった労働者の週の所定労働時間を以下の通り引き上げることで対象にあります(週所定労働時間が4時間以上延長すると賃金の増額は必要ありませんが、4時間未満の場合は賃金の増額が必要となります)。所定労働時間を延長する取り組みを6か月間継続した後に、助成金が申請できます。
どちらが活用しやすいのか
「社会保険適用促進手当」と「労働時間延長」と、どちらかの取り組みが助成金の対象となりますが、活用しやすいのは、「労働時間延長」ですね。社会保険適用促進手当は、対象外の社員との格差に繋がりかねませんし、就業規則への定めや従業員への周知と理解が必要です。またこの手当は2年しか使えませんので、2年を超えると新たに基本給を上げるのか、単に手当を廃止するのか(給与がダウンする)、という大きな課題を残す可能性があります。
その分「労働時間延長」の方が、職場としての違和感はないのではないでしょうか。週所定労働時間を4時間以上延長すれば、賃金の増額は必要ありません。
助成金の要件や申請方法については、お近くの社会保険労務士にご相談ください。