SNS炎上から学ぶ労務管理の教訓 〜ルールと常識のズレが火種に〜

最近、SNSで大きな話題になったニュースがあります。
ある飲食店で隙間アルバイトが勤務開始3分前に出勤したところ、店主が「ギリギリに来るんじゃない!」と叱責し、そのまま帰宅を命じたというものです。投稿が拡散され、瞬く間に炎上してしまいました。

このケース、一見すると「経営者が厳しいのは当たり前だろう」と感じる方もいるかもしれません。飲食業やサービス業では、オープン前に準備が必要なことは多いからです。
しかし、労務管理の観点から見ると、今回の対応は多くのリスクを含んでいると言えます。

アルバイトは「契約通り」、経営者は「常識通り」

アルバイト側から見れば、始業時刻に間に合っているのだから遅刻ではありません。労働契約上の義務は果たしているわけです。
一方、経営者側からすると「10分前に来るのが当たり前」「余裕を持つのが常識」という感覚があります。ここに大きなズレが生じました。

つまり、アルバイトは「契約通り」で正しい」、経営者は「常識通りで正しい」
それぞれの立場に正義がありますが、この“正義のズレ”こそが炎上の原因となったのです。

社労士としての分析

労働契約は「就業規則」や「労働条件通知書」で定められたルールに基づきます。そこに「始業10分前に集合」と明記されていなければ、従業員に強制することはできません。(もちろんその時間については賃金が発生します)
仮に経営者が「常識だ」と思っていても、法的には労働者に義務はないのです。

さらに、「帰宅を命じる」という行為は、懲戒処分やシフト削減に近い扱いになります。合理的な理由がなければ、不当労務管理と見られかねません。
そして何より、SNS時代は従業員や第三者の目線から「理不尽」と感じられる行為が瞬時に拡散されます。経営者にとっては小さな指導のつもりでも、世間からは「ブラック」と映ってしまうのです。

ルールと合意でマネジメントを

この炎上から学べることはシンプルです。

  1. 常識を押し付けず、ルールに落とし込むこと
     「準備のため10分前に集合」というルールを就業規則に定めれば、合意の上で指導できます。
  2. 指導は感情的ではなく建設的に
     「もう少し余裕を持って来てくれると助かる」と伝えるだけで十分です。
  3. SNS時代は世間の目も意識すること
     労務管理の一挙手一投足が採用や評判に直結します。

まとめ

今回の炎上は、アルバイトと経営者の「正義のズレ」が引き金となりました。
労務管理においては、常識ではなくルールと合意で動くことが何より大切です。経営者の「当たり前」をそのまま押し付けてしまうと、労働問題だけでなく、SNS炎上という reputational risk にもつながります。

働きやすい環境づくりは、ルールの明確化と冷静なコミュニケーションから始まります。
経営者の皆さん、自社の「常識」と「ルール」にズレはありませんか?

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