高額な治療費・薬代を支払ったときに使える制度(高額療養費)

皆さんが加入している健康保険には、治療費や薬代が高額になる場合、ある一定限度額を超える部分については後日払い戻されます。又は、事前に限度額適用認定証をけんぽ協会に請求し、手に入れていればあらかじめ限度額までの支払いで済みます(限度額適用認定証については、次回)。これを高額療養費制度と言います。

ここでは、多くの中小企業で働く会社員が加入する「協会けんぽ」のルールをご説明します。

限度額は以下の通りです。病院、薬局ごとに計算されます。ただし、病院で処方箋が出され病院外の薬局で薬を受け取った場合は合算することができます。(ここ重要です)

高額療養費上限額表

協会けんぽ ホームページより

「標準報酬月額」というのは、社会保険料を決定するため皆さんの給与額から算定されている金額です。不明な方は、会社の給与計算の担当者にお尋ねください。ざっくりした例え話ですが、サラリーマンのお父さんが②区分ウ、共働きのお母さんや若手社員が③区分エに該当するパターンが多いかと思います。

具体例

例えば、④区分エに該当すると、Aクリニックの治療費と処方された薬代を足して、その月の自己負担の上限額は57,600円となります。ただしこれは、Aクリニックの治療費と処方された薬代のみの合算となります。さらに別の病院(B病院)で診察を受けた場合の上限は21,000円となります。

Aクリニック(薬代含む)では、57,600円が上限

B医院(薬代含む)では、21,000円が上限 (これ以外の医院も上限21,000円となります)

注意点

医療機関ごとに計算します。同じ医療機関であっても、医科入院、医科外来、歯科入院、歯科外来にわけて計算します

同じ月に被扶養家族が同じ医療機関を受診し費用が発生すると、そちらも合算できます

なお、高額療養費の手続きについてですが、上限額を超えて支払いをすると、数か月後に協会けんぽからお知らせが届きますが、見落とされる可能性がないとも言えません

また病院で診察費30,000円、薬局で薬代30,000円となったような場合、けんぽ協会では突合できず見落とされるようです。やはりご自身で翌月以降に申請が必要かと思います。

なお右端の多数該当は、診察を受けた月の前の月から12か月以内に3回以上の高額療養費の利用があった場合、その月から上限が下がります。この点も、病院に行くタイミング次第によっては受けられない場合もありますのでご注意ください。

協会けんぽ 高額療養費について

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3030/r150/

高額な治療・お薬を利用する場合とても大切な制度です。ご不明な点は、加入している健康保険にお尋ねください。

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