給与計算については、各社毎月大変な労力をかけて計算されているものとおもいます。しかし、実際計算方法が正しいのか、という問い合わせが時々社労士事務所にも寄せらています。
特に多いのが、労働時間は1分ごとに計算すべきなのか、1円未満の端数はどう処理するのか、などです。
割増賃金計算の端数処理に当たって次の方法は、常に労働者の不利となるものでなく、事務簡便を目的としたものと認められるから、労働基準法第24条および同法第37条違反としては取り扱わないとされています。
具体的には、次のとおりです。
給与計算における端数処理
- 1か月における時間外労働、休日労働および深夜業のおのおのの時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げること。
- 1時間当たりの賃金額および割増賃金額に円未満の端数が生じた場合、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げること。
- 1か月における時間外労働、休日労働、深夜業のおのおのの割増賃金の総額に1円未満の端数が生じた場合、と同様に処理すること。
基本的に、労働時間は1分ごとにカウントする必要がありますが、15分・30分以下は切り捨て等で計算していることが多いのが実態です。このような計算の場合後々、未払賃金の請求にもつながる恐れもあります。ルールとして認められているのは、1か月トータルの勤務時間の端数の内、「30分未満を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げ」しかありませんのでご注意ください。