社会保険130万円の壁について

兵庫県三木市のハルカゼ社労士事務所です。

現在政府では、10月1日からの最低賃金アップ後のフォローとして2年間の緩和措置を講じる方向です。この2年間、扶養に入っている家族の年収が130万円以上でも、一時的な増収であると認められれば扶養にとどまることができます。2年後の年金法改正までの措置です。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2320K0T20C23A9000000/

この措置に限らず、10月になると、ご自身の年収を気にして仕事を減らすパートさんが増え、年末の忙しい時期に人手が足りないという状況の会社さんは多いのではないでしょうか。

また、社労士にとっても、顧問先のパートさんからこの手の問い合わせが多くなる時期です。皆さん異口同音に「(社会保険に加入するか否か)何が一番得なのでしょうか?」と聞かれます。

「何が一番得」か、という問いに対しては、「将来のことは誰にもわからない」という他ありません。社会保険は、あくまで「保険」なので、がん保険や自動車保険と同じく、大きなアクシデントが発生すれば加入していて良かったとなりますし、ご自身もご家族も「ご家族の会社」も今後、数十年健やかに過ごすことができれば、被扶養者のままでいる方が「得」かもしれません。

「ご家族の会社」もポイントだと思います。2030年代は、日本経済はマイナス成長に突入すると言われています。特に国内をパイにしている会社の売上は確実に減りますよね。ということは、働いている人の給与は上がりませんよね。

また昨今の中古車販売店・大手芸能事務所の不祥事から見ても、ある日突然大きな会社が傾くことも、この時代何ら不思議ではありません。

つまり、この不透明な時代に、「今の生活が長く続くことを期待しても良いのか」という視点も必要ではないかと思います。

育児介護の都合にもよりますので、軽々しく判断できませんが、年収の壁を意識しすぎている方々が多い気がしていますので、長い人生、大局的な視点から考えてみても良いのかもしれません。