20年後に和食の会席が食べられなくなる?

私は、ホテルの支配人を16年勤めましたが、そのうち4年間は温泉ホテルで勤務していました。

当時、和食の会席を提供していましたので、和食の料理人を必要(即戦力になる人)としていたのですが、なかなか人が来ず苦労した思い出があります。

で、いっそ新卒の若い人を採用をしようと思って、料理学校に直接求人票を提出しに行ったんですね。

そこで、驚愕の事実を知ることになります。

「和食を目指す人って、いないんですよね・・・」とのことでした。

料理学校には多くの若者がいるのですが、人気が高いのは、パティシエ、イタリアンだそうです。

なぜ和食の料理人の人気がないのか?

その理由を聞くと

①上下関係が厳しい

②長時間労働

③古い慣習

のイメージが強く、なかなか人が入って来ないようです。もちろん全くいないわけではなく、少数ながら和食の料理人を目指す人はいます。でもその人たちは、向上心が強い人なので、東京や大阪、京都の超一流の和食料理店へ入社されるそうです。

今後の和食業界

そのため、和食の料理人は今、圧倒的に人手が足りていません。今は、50歳以上のベテランが支えていますが、全く若い人が入ってきませんし、この分野は、外国人労働者が入りづらいと思います。

行きつく先は、20年後には一部の超高級店でしか、和食や会席料理は食べられなくなり、その他の施設ではありきたりのバイキング形式の施設ばかりになると思います。温泉旅館で味わうことができる会席料理は、もう食べられなくなるのでは。

対策

このテーマに関しては業界全体での取り組みが必要だと思いますが、料理の世界では業界をまとめる組織がありません。そのため、個々での取り組みしかありません。

「和食の素晴らしさ」だけではなく、そこでの働き甲斐、働きやすさ、労働環境の良さをアピールし続ける以外にないのでは。

料理自体に興味がある人は、男女を問わず一定数いますから、そういう人たちにどんどん情報発信していくことですよね。

あと、料理学校を経ず、高校・大学から新卒から育て上げるくらいの人材育成についても検討が必要ではないでしょうか。

もっとも重要な人材育成

ただ人材育成について、最も重要なのは、ベテラン料理人です!

50代以上の料理人は、「技術を見て盗む」、環境で育っていますので、人に教える、育てるということが苦手な人が多い印象です。

会社の方向性を、経営者自らとことん説明し、また必要であれば外部講師などの研修も積極的に活用したいですね。ベテラン料理

人は料理以外を学ぶ機会がほとんどなく過ごしている人が多いので、社会、経済全体から物事を考えるための機会が必要ですね。

そういう取り組みに遅れた会社は、どんどん退場せざる負えなくなりますから、うまく対応・変化できる会社と大きな差が開く一方になるのではないでしょうか。

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